歯周補綴periodontal prosthesis
歯を安定させて
噛む力と美しい見た目を取り戻す
歯周病が進行し歯を支える骨の組織が溶け出すと、歯が動揺してしまいます。そこまで進行してしまうと、噛むことはもちろん清掃も難しくなるため、口腔内環境が著しく悪化してしまいます。歯周補綴は、重度歯周病により動揺する歯と歯を連結させ、咬合を安定させる補綴処置です。十分な清掃性や機能性を持たせるためには、正確な咬合採得と支台歯のフィニッシュラインの明確な印象採得が大切です。歯周補綴における補綴装置の製作はお気軽にご依頼下さい。
形態・適合・咬合・清掃性を意識して長期的な安定を目指す
- プロビジョナルにより形態・清掃性を確認しつつ、患者様の口腔内に合わせて咬合を安定させます。
- 支台歯形成が完了した状態です
- レジンにより形態を回復して口腔内試適を行います。その際、形態・適合・咬合・清掃性についても確認します。支台歯の動揺を考慮して、作業模型上では3歯以上の連結は行わず、口腔内で連結します。連結する箇所にはノブを取り付け、強固でスムーズな連結を行えるようにします。
- 口腔内で咬合調整を行い、リマウントをして補綴装置を完成させます
症例1
- 口腔内に完成した補綴装置を装着した状態です
症例2
- 症例1と同様の工程で完成させた補綴装置を、口腔内に装着した状態になります。
Key&Keyway
- 前歯部と臼歯部で支台歯の方向が異なる症例では、犬歯の近遠心にKey&Keywayを付与して連結します。シングルのKey&Keywayでは、年月が経つにつれて浮き上がってきてしまうため、ダブルのKey&Keywayを付与することにより歯の動揺を抑え、長期的に安定させることができます。症例に応じてセメントの介入による支台歯と補綴装置の浮き上がりを防ぐため、クラウン内面にセメント流出孔を付与し、適合良く装着することができます。
補綴装置は、口腔内で長く安定的に機能できるようにしなければなりません。そのために当社では、支台歯の適合・咬合の安定・清掃性を考慮しながら補綴装置の製作を行っています。
歯周補綴におけるこだわり
当社では、以下の3点をこだわりながら製作しています。
①最終補綴装置をプロビジョナルと同じ咬合高径にして顎位を安定させる
②支台歯と補綴装置との良好な適合を実現させる
③清掃性を高め、口腔内環境を適切に整えることにより、長期的に安定させる
必要に応じてクラウン内面にセメント流出孔を付与します。補綴装置装着時に支台歯とクラウンの間にある余剰セメントを排除し、確実な適合を実現します。また、適切な歯周補綴を行えば歯の動揺が抑えられて安定し、歯槽骨の形態も良好になります。その結果、歯周ポケットを減らすことができるため、清掃しやすくなり口腔内環境を整えやすくなります。このように当社では、形態・適合・咬合・清掃性にこだわった補綴装置を製作しております。